キャッシングローンを扱う会社は競うように審査、融資のスピードアップを図っています。「仮審査3秒」「最短15分で本審査終了」「即日振込」などを
売りにしている会社はたくさんありますが、審査のノウハウはどのように蓄積されてきたのでしょうか。
1960年代、高度経済成長に伴い急増する給与所得者、つまりサラリーマンの資金需要に応えるべくキャッシングの元祖、消費者金融が誕生しました。
当時は安定した高収入が見込める大企業の会社員や公務員などをターゲットにしていました。まだ信用情報機関は無く、審査のポイントは社員の勘でした。
現在のように全国に支店があったわけでもないので商圏は必然的に狭く、お客様とのコミュニケーションから読み取れる人間性、集金のために訪問したときの自宅の様子
などから顧客の人となりを判断し、審査をしていたのです。具体例を挙げると、今年もらった年賀状の枚数を尋ねて人望を推測する、自宅に花が活けてあるのを見て余裕が
ある状態であることを察する、営業マンであるのに身なりを気にしないことに疑問を持つ、などです。さすがに現在は年賀状をもらった枚数を質問することはありませんが、
その仕事をしている「らしさ」があるかはチェックします。例えば電話オペレーターの仕事をしているのに電話口でボソボソ話す、免許証を持っていないのに車が無ければ
通勤できない場所にある会社に勤めている、などのケースには慎重に対処します。この時期の金利は100%前後と非常に高いですが、回収ロスは今より少なかったようです。
高金利ゆえに支払いが遅れると利息負担が莫大に増えてしまうため、顧客も緊張感を持って支払いをしていましたし、普段からコミュニケーションを取っていたので取り
返しがつかなくなる前に相談をしてくれたそうです。
ところが、経済成長に伴い資金需要者が増え、複数社で借入をする顧客も現れたため、各会社の勘だけではなく、客観的な事実に基づく審査が必要になってきました。
そこで近隣の業者が延滞顧客の情報交換を始め、信用情報機関の原型となりました。
今とは比べ物にならないほどアナログな審査でしたが、迅速、スピードという点は当時から変わらず受け継がれています。必要なときにすぐ、
これが今も昔もキャッシングに求められることかもしれません。