依存症としてのキャッシング

借金依存症という言葉があります。ニコチン依存症の人がタバコを止められないように、お金を借りることを止められず、意志が弱いというレベルでは片付け られない症状のことを指します。借金を買い物やギャンブルにつぎ込むことが多く、多くの借金依存症の人は買い物依存症やギャンブル依存症を併発しています。 借金依存症のやっかいな点は、依存状態であることを認めないことです。客観的に見て明らかに返済不能状態であるのにそれを理解せずに本気になれば返すことが できると思い込み、他人が指摘をしても聴く耳を持たずに借金を重ねます。お金を借りられる=自分は信用されているという心理になり、借りられなくなると不安を感じ、 最悪の場合は自殺してしまったり、犯罪に走ってしまったりすることもあります。

借金依存症から脱出するためには、専門家による根本的な治療が必要です。精神科にてカウンセリングを受ける、同様の症状に苦しむ人同士を集めて悩みを共有するなどの 方法がありますが、あまり一般的ではないのが実情です。

国は多重債務者対策本部を設置して対応にあたっていますが、もうこれ以上借りられない多重債務者に対して自治体が融資を行うことを検討したり、 弁護士が債務整理の有効性を主張したりとすでに多重債務になっている人を一時的に援助することばかりで、どうしたら多重債務にならないか、 再発を防止するためにはどうしたらよいか、という点が抜けているのが残念です。

タバコが値上げされると、ニコチンへの依存度が低い人はこれを機に禁煙をしようと思いますが、高い人は生活費を削ってでもタバコを買い続けます。 商品が入手困難になっても、それへの依存度が高ければあらゆる手段を用いてそれを入手しようとします。借金への依存度が高い人も同様に、 総量規制が導入されて正規ルートで借りられなくなっても、裏ルートから借りようとする可能性が高いと思われます。禁煙外来が広く知れ渡るようになりましたが、 本気で多重債務者を救済するのであれば借金外来を設置するくらいの思い切った対策も必要ではないでしょうか。




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