某消費者金融会社に入社をして数ヶ月目のこと、当時の私は店頭窓口に勤務していました。一本の電話が鳴り、
「申し込みをしたい」とのことだったので、名前と生年月日を聴いて折り返し対応にしました。私はちょうど休憩に入るところだったので、
同僚に引き継ぎました。ところが休憩から帰ってくると、同僚がひどく取り乱した様子でした。理由を尋ねると、「会社に在籍確認をしたら本人が出たの!
申し込んでなんていないって言うの!」との回答。じゃあ申し込みたいって私に電話をかけてきたのは・・・誰?
当時の私たちはド新人だったため知らなかったのですが、消費者金融によくある詐欺なのです。なんらかの手段で第三者の本人確認書類
(顔写真がついていないため保険証が大半)を手に入れ、その人に成りすまして融資金を騙し取ろうとする手口です。
この事件の顛末ですが、店長が警察に通報し、ベテラン社員が言葉巧みに店頭窓口へ誘導。意気揚々と申込書を記入していたところへ警察が到着し、
あえなく御用。社会人経験数ヶ月だった当時の私にとって、目の前での逮捕劇は刺激が強すぎました。
もし、この保険証の持ち主がたまたま外出中や休みだったら詐欺が成立していたかもしれません。そして保険証の持ち主の自宅には見に覚えの無い督促状が届き、
勤務先には催促の電話がかかってきたことでしょう。もちろん持ち主に支払い義務はありませんが、詐欺による契約であることを証明しなければなりません。
店頭窓口へ来店したり警察に相談したりと、見ず知らずの悪人のために時間と労力を浪費することになってしまいます。
もし本人確認書類を紛失してしまったことに気づいたら、すぐに最寄りの警察署に紛失届けを出しましょう。更に厳重に悪用を防ぐため、
信用情報機関に紛失登録をすることができます。キャッシング申込の際、身分証明書に記載されている名前と生年月日を元に信用情報機関に照会し、
他社での利用状況などを調べますが、そのときに紛失したというメッセージが表示されるようにすることができます。
私は5年6ヵ月間消費者金融会社に勤めていましたが、一度しかメッセージを見たことがありません。「ワタシハヘイセイ○ネン××(場所の名前)
デ、メンキョショウヲフンシツシマシタ。カシツケノサイハチュウイシテクダサイ」という内容でした。
逆に言えば、それだけレアなので受付担当者が見逃す可能性は低いといえます。